ADC,DAC班の研究内容


ADC,DACとは

 光、音など人が感じる情報は、すべてアナログ信号です。しかし、アナログ情報は信号劣化や、低電圧化に不向きという欠点があります。この問題は、信号処理にディジタル回路を用いる事で大きく改善できます。このため、アナログ信号をディジタル信号に変換するA/Dコンバータ(ADC)や、ディジタル信号を元のアナログ信号に変換するD/Aコンバータ(DAC)が必須となります。
 液晶ディスプレイ、ディジタルカメラ等の映像端末や、携帯電話などの通信端末でも必ずADCやDACが使用されています。

携帯電話の回路構成

A/Dコンバータ

1. 電流モードA/Dコンバータ

 電流モード回路は電流信号を入力として扱うため、電圧を電流に変換する必要があります。より高精度な電圧−電流変換を行うために、下図のような回路が使われています。
電流モードの回路構成
電流モードの特性

 電流モード回路に使われるカレント・ミラー回路では、トランジスタの素子ばらつきによる誤差が問題となります。この誤差は、ミラーMOSを入れ替えることで極性の異なる同量の誤差を発生させることができます。

素子ばらつきによる出力誤差のキャンセル

 下の写真はこの構成を用いて設計された電流モードA/Dコンバータのチップ写真です。


電流モードADCチップ写真

2. 電圧モードA/Dコンバータ

 電圧モードで使われるS/H回路では、容量値がばらつくために出力電圧に誤差が生じてしまいます。そこで、フィードバックキャパシタC1、C2を交互に入れ替えることで同量、逆極性の誤差を含む出力電圧を発生させます。

容量値のばらつきによる出力誤差のキャンセル

 フェーズ1とフェーズ2より発生させた、同量、逆極性の誤差を含む出力をディジタルフェーズで平均化することにより、出力誤差を打ち消し、高精度な回路を実現することが出来ます。

出力の平均化

D/Aコンバータ

 杉本研究室で検討しているD/Aコンバータは、原理図のように電流源、スイッチ、負荷抵抗で構成され、入力ディジタルデータでスイッチのON/OFFを切り替えることでアナログ信号を生成しています。
 近年の情報量の増加に伴い、D/Aコンバータの高速・高精度化が必要となります。しかし、従来のD/Aコンバータでは、高周波信号を生成した場合に寄生容量が原因でアナログ信号が劣化してしまいます。本研究では、高周波での劣化を抑えるために出力回路を新たに設計することで、特性を改善しています。
DAC原理図
高周波周波数特性
 右の写真はD/Aコンバータのチップ写真です。


DACチップ写真

This is Sugimoto Lab. Status: 2007-10-26 update