研究課題

化合物半導体を用いた擬似位相整合波長変換デバイスの開発

研究者:川路宗矩、井村 健、矢口智彦(2007〜2008年度)

研究者:川路宗矩、井村 健(2007〜2008年度)

研究者:川路宗矩、大河原由次(2006〜2007年度)

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■序論

レーザーとして発振される光は、その量子的な性質から波長に限りがあり、 レーザーの種類によって高出力化・安定化が進んでいる波長もあれば、まだニーズに属さない波長もある。

したがって、非線形光学効果を利用した高効率の波長変換デバイスが開発されれば、必要とする波長のレーザー光が得られるようになり、 強度の大きなレーザー光は紫外から赤外まで広い波長領域で解析や測定をはじめ、実にさまざまな応用が期待されている。

しかし、現在の波長変換デバイスでは特に赤外領域で得られる波長が限られている。 そのため、非線形光学効果を利用した赤外領域で連続的に波長が得られる波長変換デバイスの開発が必要とされている。

そこで注目されているのが、「擬似位相整合」による変換効率の向上である。


■擬似位相整合について

擬似位相整合(QuasiPhaseMatching:QPM)とは、すべてにおいて位相整合を達成することができる強力な手法である。本質的に伝播方向の制約を持たないので、各非線形材料における非線形光学定数の最大のものを利用することができるというメリットを持つ。

もっとも効率的な擬似位相整合は、下図に示すようなコヒーレンス長ごとに結晶を空間反転させた周期的な分極反転構造を用いて実現できる。

図 1 周期的な分極反転構造

通常の材料では屈折率に波長分散があるので、基本波、第二高調波の速度は一致しない。ゆえに位相のずれが生じる。ある距離まで基本波が伝播すると、入射端のSH波とある距離のSH波にπの位相差が生じ合成SH波が減少してしまう。これを解決した理論が「擬似位相整合」である。


■常温接合
(表面活性化接合法 Surface Activated Bonding:SAB)について

従来の直接接合プロセスでは、加熱により接合面の密着や酸化膜・吸収層の拡散除去などの接触を進行させ接合していたが、加熱処理による結晶の破壊や性質変化を免れることは出来ずデバイスの作製は困難であった。表面活性化接合では従来の加熱の処理をイオン衝突等に置き換えて、表面を活性化させることで常温で接合できるのである。

具体的な方法としては、チャンバー内にミリ角程度の試料を上下に設置し、両方にアルゴンビームを一定時間当てて表面をエッチングし、酸化膜を取り除くことで活性化させる。活性化した面(接合面)を負荷をかけて圧接することで互いの原子同士の接合が可能になる、というシンプルな方法である。


■現在の研究状況

化合物半導体材料によるQPM構造の作製を試みている。

図 2 作製した4層GaAs積層構造の断面(SEM)

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