Electrocardiogram Measurement using Capacity Coupled Electrodes

容量結合型電極を用いた心電図計測

容量結合型電極を用いた車載搭載用眠気予測システム

現在の交通事故の傾向として、ASV技術の普及やインフラの整備によって車や道路に起因する事故は減少傾向にある。 しかし、居眠り運転や漫然運転などのヒューマンエラーに起因する事故は年々増加傾向にある。

従来の心電図計は電極を直接生体に貼り、計測中は拘束されていた。 運転時に心活動を計測するためには、ドライバに違和感を生じさせないために、無意識・無拘束であることが求められる。 この条件を満たす測定手法が容量結合型電極を用いた手法である。

現在、橋本研究室ではこの心電図を利用することで眠気予測を可能にするシステムの開発を行っている。 このような生体情報を観測する技術は自動車の自動運転化を実現するための必須項目でもあり、現在、注目を浴びている。

機械学習による眠気推定

正確な眠気度の計測において、個人パラメータを選定することは非常に重要となる。そこで、調査を重ねることにより8通りの個人パラメータ代表値を求めることに成功した。

本システムでは、機械学習を用いることで、運転者の眠気計測の精度をさらに高めることを行う。具体的には、求めた8通りの個人パラメータ代表値を教師信号とする。これに運転者の心拍数変動などの生体情報、および心理情報を入力することで、k近傍法を用いることにより各個人に最適な個人パラメータの選定を行う。上記の方法により、眠気計測の精度はおよそ9割まで上がる見込みである。

Intelligent Servo Actuator

アクチュエータの知能化

電流独立制御によるトルク向上手法

ダイレクトドライブモータは、高バックドライバビリティを実現するため減速機を用いない。このため、必然的にトルクの不足が問題となる。

橋本研究室では、電機子巻線を結線することなく独立させ各相の電流を制御することでトルクの向上を目指している。従来の結線方式では、電機子巻線に流れる高調波成分は循環電流として発熱を生み、トルクに寄与することができない。この電機子巻線に流れる高調波成分を有効活用するため、巻線を結線せず独立に制御することで、高トルク化を実現する手法を提案している。

各電機子巻線に適切な高調波電流を重畳することで、従来結線と比較してトルクの50%向上を実現している。

偏心構造を利用した磁気式アブソリュートエンコーダの開発

小型モータの高精度な制御の実現には、小型かつ高性能なエンコーダが必要不可欠である。橋本研究室では、小型かつ高性能なエンコーダを実現するため、磁気式エンコーダに着目した。

磁気式エンコーダは、構造が単純なため、安価で高い耐環境性を持ち、小型化が容易である反面、高精度化が困難であるという欠点が存在する。この欠点は、センサマグネットの極数を増やすことで改善出来るが、絶対角度を検出することが不可能となる。

そこで、センサマグネットを偏心回転することで、4極のセンサマグネットによる高精度化と絶対角度検出を同時に実現可能な手法を提案している。提案手法により、従来方式の2倍の精度を実現可能である。

Development of Walking Assist Device

次世代歩行アシストの開発

2つのモードを備えた歩行補助ビークルの開発

近年個人の生活様式の多様化や地球温暖化への対策から低炭素社会の実現のために個人の移動様式が変化している。人口の都市部への一極集中はそれを加速させる要因の一つである。

高齢者における日々の課題の一つに「買い物」があげられる。地方では人口減少による公共交通網の削減、都市部でも自宅と交通機関の間は高齢者による荷物運搬の必要が存在する。橋本研究室では、この問題への解決策として2つのモードを備えた小型・軽量な歩行補助ビークルを開発している。

歩行補助ビークルは倒立振子型であり、モータによる歩行補助モード・自律移動による荷物運搬モードの2つのモードを切り替える事が出来る。これにより、高齢者は買い物の際に荷物の重さを気にする必要がなくなる

ビークルの制御においては、橋本研究室で研究を行っているSTSMC(Super Twisting Sliding Mode Control)の適応を目指して開発を進めている。

新型パーソナルビークルの開発

近年個人の生活様式の多様化や地球温暖化への対策から低炭素社会の実現のために個人の移動様式が変化している。 橋本研究室では、本移動装置をパーソナルビークルと称し新たに可搬性の高い超小型の倒立振子型のパーソナルビークルとしてマイクロパーソナルビークル(μPV)を開発している。

μPVの特徴は小型、軽量化による高い可搬性である。 これによりμPVでの移動が困難な場面でも、ユーザ自らが持ち運ぶことでバリアフリーを実現することができる。

また、μPVは健常者の利用を前提としているので走行時の乗り心地は非常に重要である。快適な走行を実現するため様々な身体パラメータ(身長・体重等)を有するユーザに対して一様に快適な走行を実現するためのロバストな制御を取り入れることが必要である。

Sliding Mode Controlt

スライディングモード制御

ダイレクトon/offパターン生成によるモータ制御

現在、複数の原子力発電の停止や電気自動車の登場により、様々な領域にて消費エネルギー低減を題材とした研究開発が行われている。 それに伴い、我々はACモーター等の制御における交流変換部(インバータ)に着目し、従来のPWM変換を用いた直流⇒交流変換に替わり、PWM変換を用いないダイレクトon/offパターン生成による直流⇒交流変換を提案している。

従来の変換は、設計者の意図したスイッチングパターンにより、直流を交流に変換するコンバータのような役割を担っているが、我々はスライディングモード制御を用いて、モーターの状態量をフィードバックしながら直接on/offパターンを生成する事で、意味のないスイッチングパターンを排し、スイッチングによる消費エネルギーの低減を提案する。

Hideki Hashimoto,Y.Kato,M.Miyata,Fumio Harashima,”ON-OFF Pattern Generation Based on VSS for DC Servo Motor - Realization Using DSP -”,IEEE IECON '87,pp.1180-1186,1987.11

秋保 敬太,大和田 拳人,高橋 怜保,橋本 秀紀,“Sliding Mode Control による無線電力伝送の実現”,第17回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会(SI2016),3D1-3,2016.12,札幌

STSMCによるモーションコントロール

近年に至るまで様々な制御法が考案されてきた。しかしいかなる場合でも想定外の外乱は生じてしまう。そのため制御系を設計する上でロバスト性が高いかどうかは重要な一つの要素である。

このロバスト性が高い制御法の一つとしてスライディングモードコントロール(SMC)が知られている。SMCはロバスト性の高い非線形制御理論であるがその原理上、目標値付近で振動(チャタリング)が生じてしまう。超高速なスイッチングであればチャタリングは発生しないがそれは非現実的である。例えば機械系の制御においてこのチャタリングが発生してしまうのは致命的な欠点といえる。

そこで橋本研究室では欠点を補った新たなスライディングモード制御―スーパーツイスティングスライディングモード制御(STSMC)―に注目した。STSMCの研究をすることで高いロバスト性を維持しながらチャタリングの抑制を実現したコントローラを提案している。

橋下 正隆,橋本 秀紀,“Super Twisting Sliding Mode Control 適用による DC モータの位置制御の検討”,第17回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会(SI2016),3D1-6,2016.12,札幌

Creation and Control of Sence Using Vibration

振動による感覚の創出及び制御

振動子が人間に与える効果の測定

振動刺激を利用して感覚受容器を選択的に制御することで、皮膚感覚を提示する研究が盛んに行われている。しかし、振動による別の感覚の創出という観点の研究では、未だ解明されていないことも多い。

橋本研究室では、振動刺激が人に与える影響を生理情報と結びつけることで解析を行っている。振動パターンと生理情報の関係性を利用し、ヒトに対しリラックスや入眠促進といった感覚を創出・制御することを目指している。

Human Robot Interaction

ヒューマンロボットインタラクション

癒しを提供するためのうさぎ型ペットロボットの開発

従来の研究からペットロボットが人を癒すためには、人の働きかけに応じて、人の五感に働きかけるというインタラクションを実現することが重要である。橋本研究室では人の庇護欲を促す外観と癒しを喚起する動作性を実現するペットロボットを開発する。

外観に関しては親しみを持てる動物であり、動作や反応に違和感を抱かせないために身近にいない動物であるという条件からうさぎをモチーフとした。形状はマスコットキャラクターを参考に感情移入しやすいサイズや比率、パーツの配置を考慮した。

動作に関しては実際の動物の鼓動を再現することで癒すための働きかけを行う。ユーザとの触れ合いを通じて鼓動の速さを変化させていき、一定以上の触れ合いでリラックス状態を促す鼓動の速さに変換する。それによりペットロボットが安心したように見えることや振動そのものから人へのリラックス効果を提供することが出来ると考えた。

Energy Management for Mobile Devices

モバイル機器の電源永続化

無線電力伝送を用いたエネルギーマネージメントシステム

近年では、モバイル機器の普及に伴い、エネルギー面の管理手法が見直されている。 モバイル機器の特徴としてモバイル性に優れている反面、エネルギーの管理はユーザーの手に委ねられている。 充電不足時には何らかの方法で充電する必要がある。

モバイル機器の充電時にはコンセントの近くへ移動しなくてはならないという場所の制約や、有線で接続しなければならないといった接続の制約がある。

橋本研究室ではモバイル機器の充電不足時に引き起こされる問題に対して、 充電ロボットと無線電力伝送を組み合わせたロケーションフリーかつコネクションフリーな充電システムによって解消する手法を提案している。 左図は、昨年度国際ロボット展において展示を行ったモバイル機器に対するエネルギーマネージメントシステムのデモンストレーションであり、盛大な反響を呼んだ。

Interface Intermidiating Real World Synchronized Virtual Reality

VRを用いた身体図式の制御

VRを用いた身体図式更新手法の提案

ヒトは普段、視覚から対象の位置情報を得ることによって身体を操作しているが、たとえ視覚を使わずとも「体性感覚」のみで身体をある程度自由に操作することができる。 これはヒトが無意識のうちに、「身体図式」と呼ばれる身体の位置及び各部位の形状・長さを想起させる脳内モデルを参照しているからである。

身体図式は、身体の成長・欠損・道具の使用といった事例に於いて、変化した身体に合致する形で受動的に更新されていく。 しかしその更新は通常、年単位・月単位の時間が掛かる。

橋本研究室では、VRを利用し、錯覚を用いることによって能動的かつ高速に身体図式の更新を行う手法を提案し、その潜在的実用性の証明に成功した。 この手法により身体図式を制御することで、スポーツでのフォーム矯正、義手装着前の順応、仮想世界での没入型アバタや遠隔操作ロボットの操作性向上などが可能となると考えられる。

身体位置感覚の較正によるパッティングトレーニングシステム

スポーツパフォーマンスを向上させる方法は,スポーツフォームのどの部分を矯正すべきかを自身で判断し,スポーツフォームを学習するというものである. しかし,自身で正確にフォームの判定を行うことは困難である.

そこで,橋本研究室ではVR技術を用いて身体位置感覚を較正することによってパッティングパフォーマンスを向上させるシステムの提案を行っている。

昨年度行った実験では、提案するシステムにより、パターパフォーマンスの向上が見込めることが確認でき、VR技術によるスポーツトレーニングの一つの可能性を見出した。