次世代歩行アシストの開発

新型パーソナルビークルの開発

近年個人の生活様式の多様化や地球温暖化への対策から低炭素社会の実現のために個人の移動様式が変化している。 橋本研究室では、本移動装置をパーソナルビークルと称し新たに可搬性の高い超小型の倒立振子型のパーソナルビークルとしてマイクロパーソナルビークル(μPV)を開発している。

μPVの特徴は小型、軽量化による高い可搬性である。 これによりμPVでの移動が困難な場面でも、ユーザ自らが持ち運ぶことでバリアフリーを実現することができる。

また、μPVは健常者の利用を前提としているので走行時の乗り心地は非常に重要である。快適な走行を実現するため様々な身体パラメータ(身長・体重等)を有するユーザに対して一様に快適な走行を実現するためのロバストな制御を取り入れることが必要である。

VSCS(可変構造制御系)によるモーションコントロールに関する研究

近年センサやマイクロプロセッサの急速な発達により、制御時に高精度な観測機器を必要とするVSCS(可変構造制御系)をコントローラとして適用する事が可能になりつつある。 橋本研究室ではVSCSの中でもロバスト性が極めて高いスライディングモード制御(SMC)を用いた物体のモーションコントロールの研究を行っている。

しかしながらSMCのコントローラには切り替え項が存在し、チャタリング(高周波励起現象)が発生する原因となっている。 そこで我々はチャタリングの抑制と高速応答が期待できる新たなスライディングモード制御―スーパーツイスティングスライディングモード制御(STSMC)―の研究を行う事でスライディングモード制御の問題点を解決するコントローラの提案を行っている。

また、パーソナルビークルへのスライディングモード制御の適応を行い、より安定し乗り心地のよいパーソナルビークルの実現を目指し研究を進めている。

車載搭載用眠気予測システム

容量結合型電極を用いた車載搭載用眠気予測システム

現在の交通事故の傾向として、ASV技術の普及やインフラの整備によって車や道路に起因する事故は減少傾向にある。 しかし、居眠り運転や漫然運転などのヒューマンエラーに起因する事故は年々増加傾向にある。

従来の心電図計は電極を直接生体に貼り、計測中は拘束されていた。 運転時に心活動を計測するためには、ドライバに違和感を生じさせないために、無意識・無拘束であることが求められる。 この条件を満たす測定手法が容量結合型電極を用いた手法である。

現在、橋本研究室ではこの心電図を利用することで眠気予測を可能にするシステムの開発を行っている。 このような生体情報を観測する技術は自動車の自動運転化を実現するための必須項目でもあり、現在、注目を浴びている。

モバイル機器の電源永続化

無線電力伝送を用いたエネルギーマネージメントシステム

近年では、モバイル機器の普及に伴い、エネルギー面の管理手法が見直されている。 モバイル機器の特徴としてモバイル性に優れている反面、エネルギーの管理はユーザーの手に委ねられている。 充電不足時には何らかの方法で充電する必要がある。

モバイル機器の充電時にはコンセントの近くへ移動しなくてはならないという場所の制約や、有線で接続しなければならないといった接続の制約がある。

橋本研究室ではモバイル機器の充電不足時に引き起こされる問題に対して、 充電ロボットと無線電力伝送を組み合わせたロケーションフリーかつコネクションフリーな充電システムによって解消する手法を提案している。 左図は、昨年度国際ロボット展において展示を行ったモバイル機器に対するエネルギーマネージメントシステムのデモンストレーションであり、盛大な反響を呼んだ。

ダイレクトドライブサーボアクチュエータ

ダイレクトドライブサーボアクチュエータの開発

現在、ロボット技術は自動化機器を始めとした産業用途のみならず、医療福祉や娯楽といった分野においても重要な技術となっている。 それに伴い、複雑な動きが要求されると同時に、高い精度も要求されている。 さらに、人間と協調・共存して人間の役に立つロボットには、人間と同様の柔軟な動きが求められている。

このような要求への解決策として、減速機を用いないダイレクトドライブモータの利用が挙げられる。 橋本研究室ではダイレクトドライブモータに対し、筐体内部に制御機構を内包した新しいアクチュエータとして、ダイレクトドライブインテリジェントサーボアクチュエータ(DDISA) を提案している。

DDISA は筐体内部に制御機構を内包することで、小型・省配線を実現したダイレクトドライブモータである。

ヒューマンロボットインタラクション

人を元気にするロボティクスガジェットの開発 ~うさぎロボット~

元気という言葉には心身の活動の源となる力、体の調子がよく健康であること、天地の間にあって万物生物の根本となる精気の三つの意味がある。 健康的で楽しい生活を送るためには、元気でいることが大切であることがわかる。 現在社会では元気が出ずにうつ病になる人やストレスに悩まされている人が年々増えており、それが社会的な問題となっている。

このようなストレス社会への対策として、ロボットセラピーが注目されている。 しかしロボットセラピーには、長期的に癒しや楽しみを与えることが難しいという問題点が挙げられている。

そこで橋本研究室では解決策として、学習することで人に合わせた変化をするうさぎ型ロボットを提案している。 昨年度実施したアンケート調査では、老若男女問わずうさぎ型ロボットとのコミュニケーションを通じて人を元気にすることを示唆する実験結果を得た。

VRを用いた身体図式の制御

VRを用いた身体図式更新手法の提案

ヒトは普段、視覚から対象の位置情報を得ることによって身体を操作しているが、たとえ視覚を使わずとも「体性感覚」のみで身体をある程度自由に操作することができる。 これはヒトが無意識のうちに、「身体図式」と呼ばれる身体の位置及び各部位の形状・長さを想起させる脳内モデルを参照しているからである。

身体図式は、身体の成長・欠損・道具の使用といった事例に於いて、変化した身体に合致する形で受動的に更新されていく。 しかしその更新は通常、年単位・月単位の時間が掛かる。

橋本研究室では、VRを利用し、錯覚を用いることによって能動的かつ高速に身体図式の更新を行う手法を提案し、その潜在的実用性の証明に成功した。 この手法により身体図式を制御することで、スポーツでのフォーム矯正、義手装着前の順応、仮想世界での没入型アバタや遠隔操作ロボットの操作性向上などが可能となると考えられる。

身体位置感覚の較正によるパッティングトレーニングシステム

スポーツパフォーマンスを向上させる方法は,スポーツフォームのどの部分を矯正すべきかを自身で判断し,スポーツフォームを学習するというものである. しかし,自身で正確にフォームの判定を行うことは困難である.

そこで,橋本研究室ではVR技術を用いて身体位置感覚を較正することによってパッティングパフォーマンスを向上させるシステムの提案を行っている。

昨年度行った実験では、提案するシステムにより、パターパフォーマンスの向上が見込めることが確認でき、VR技術によるスポーツトレーニングの一つの可能性を見出した